公共建築物整備支援等

公共建築物整備支援等 平成25年2月に熊本県と協働して創設した熊本県木造設計アドバイザー制度等を通じて、公共建築物の整備に関する支援等を行っています。

木造設計アドバイザー派遣事業

目次

  • 5 派遣の効果と現場の声
    • 5-1 木造設計アドバイスの内容
    • 5-2 木造設計アドバイスを受けた現場の声
    • 5-3 木造設計アドバイザー派遣実績
  • 6 申請者・手数料
    • 6-1 申請者
    • 6-2 木造設計アドバイザー派遣申込手数料
  • 7 実施要領等
    • 熊本県木造設計アドバイザー派遣事業等実施要領
    • 熊本県木造設計アドバイザー派遣事業等運営細則
    • 熊本県木造設計アドバイザー等登録要項
    • アドバイザー派遣申込書

1 事業概要

 本事業は、熊本県と(一財)熊本県建築住宅センターが協働して平成25年2月12日に創設した熊本県木造設計アドバイザー制度に基づき、(一財)熊本県建築住宅センターがあらかじめ登録した熊本県木造設計アドバイザー(以下「木造設計アドバイザー」という。)を派遣する事業です。

熊本県木造設計アドバイザー制度

2 熊本県木造設計アドバイザー制度とは

2-1 木造設計アドバイザー制度創設の経緯

 熊本県木造設計アドバイザー制度は、熊本県内の公共建築物における木材利用の推進を合理的かつ円滑に進めるため、熊本県と(一財)熊本県建築住宅センターの協働により平成25年2月に創設されました。(創設時名称:「木造設計アドバイザー制度」)
 熊本県では公共建築物の木造化等を推進していますが、公共建築物の設計に携わってきた設計事務所が木造を得意としているとは必ずしも言えません。また、特に公共建築物の場合、大規模となる可能性が高く、単年度会計といった民間事業とは異なる工期制約を受けることから、木材の生産、加工・流通状態などを十分把握したうえで設計を進め、施工時に材料の手配などがスムーズに行えるようにする必要があります。
 そこで、県内の地方公共団体等が発注する木造建築物の設計に対し、県内の木材流通などの実態を踏まえたうえで、さらに質の高い木造公共建築物等の整備が推進されるように、地方公共団体の要請等に基づき、木材の専門家等を(一財)熊本県建築住宅センターから派遣する制度(熊本県木造設計アドバイザー制度)を創設しました。
 なお、令和2年8月の改正により、対象建築物を「公共性の高い建築物等で理事長が設計アドバイザーを派遣する必要があると認めるもの」とし、民間建築物についても対象となりうることを明確にしました。

2-2 木造設計アドバイザー派遣のための予算化は不要!?

 木造設計アドバイザー制度が持続可能な制度と考えられる理由の一つは、「数億円規模の事業の場合、発注者(県や市町村等)が木造設計アドバイザー活用のための特別な予算化をする必要がない」(発案者)という点にあります。言い換えると、木造設計アドバイザー制度の活用を予定していなかったプロジェクトでも、設計委託発注の段階で「木造設計アドバイザー制度を活用して木造に関する専門家の意見を取り入れた設計とすることが必要」という整理を行えば、木造設計アドバイザーの派遣を受けることができます。
 県や市町村等が建築物の新築や改修を行う場合、設計委託料や工事費などを予算化することになりますが、木造設計アドバイザー派遣の費用は、予算化された設計委託料の中で支出することが可能です。つまり、建築物の整備主体(県や市町村等)が、設計委託を行う際に、設計委託業務仕様書の中に「(一財)熊本県建築住宅センターが派遣する木造設計アドバイザーによる助言を受けて設計すること。」等の記載を行い、特別経費として木造設計アドバイザー派遣手数料(6-2参照)を計上して設計委託料の予定価格を算定すれば、木造設計アドバイザー制度を活用することができ、数十万円の費用で数億円単位の建物の確実な質の向上が期待されることになります。
 ちなみに、工事費1億円の事務所を建築する場合の設計委託料が700万円とすると、木造設計アドバイザー派遣料27万円は工事費の0.27%、設計委託料の3.9%に該当しますが、その費用対効果が大きいことは県の活用事例報告書などからも明らかです。

2-3 設計発注段階になって木造設計アドバイザー制度を知ったとき

 設計発注段階になって木造設計アドバイザー制度のことを知ったとき又は木造設計アドバイザの活用について検討を始めたときは、(一財)熊本県建築住宅センターにご相談ください。特に市町村の場合は、木造設計アドバイザー制度の活用を前提とした設計発注に関する技術的支援のご要望があれば、熊本県公共建築連絡協議会の取組みとして設計委託料の算定や設計委託仕様書の作成等について無償で支援させていただきます。

3 対象建築物

 当初は、県又は市町村が整備する建築物を木造設計アドバイザーの派遣対象としていましたが、現在は派遣対象を拡大し、次の建築物を対象としています。
 ① 地方公共団体又は公益法人が整備する建築物
 ② 国又は熊本県から補助金の交付等を受けて整備される建築物
 ③ 公共性の高い建築物等で木造設計アドバイザーを派遣する必要があると認められるもの

4 熊本県木造設計アドバイザーについて

 熊本県木造設計アドバイザー制度の要である熊本県木造設計アドバイザーは、(一財)熊本県建築住宅センターが(一社)熊本県木材連合会の協力を得て木材の専門家等を選定し、県との協議を経て熊本県木造設計アドバイザー登録簿に登録された専門家をいいます。
 なお、熊本県木造設計アドバイザーの選定要件は、「学識経験者」、「木造建築物の工事に関して相当期間の経験・実績を有する者」、「木材の性能、性質等に関する知識を有する者」などとしています。
 現在、熊本県木造設計アドバイザー登録簿に登録されているアドバイザーは、次の表のとおりです。

登録
番号
登録年月 氏名 所属等 主なアドバイス事項
1001 平成25年5月 坂田雅孝 ㈱ウッディファーム
代表取締役
木材の調達、技術的課題など構造計画、実施設計での必要事項等
1002 平成28年6月 北原昭男 熊本県立大学名誉教授 構造計画の妥当性等
1003 平成28年6月 池田元吉 熊本県林業研究・研修センター林産加工部シニアアシスタント 基本設計時に知るべき木材の基本事項等
1004 平成29年4月 久原英司 (一社)JBN・全国工務店協会 副会長 住宅、集会所等の施工に関する事項等
1005 令和8年2月 髙見睦代 長迫木材有限会社
代表取締役
木材の調達、流通状況等
1006 令和8年2月 橋本龍一 球磨プレカット株式会社
代表取締役
木材の調達、流通状況等

5 派遣の効果と現場の声

5-1 木造設計アドバイスの内容

 木造設計アドバイザーの派遣は、基本設計時に3回、実施設計段階で1回の計4回(3階建て以上又は1,000㎡以上の場合は計4~6回)を標準としており、「県産材利用にあたっての樹種選定方法」、「素材・製材・乾燥工程に係る体制の確認」や「JAS材の等級決定」などについて木造設計アドバイザーによるアドバイスを受けていただきます。なお、対象建築物の用途・規模に応じてアドバイス方法等を県及び木造設計アドバイザーと協議の上、変更する場合があります。
 このように、設計事務所が早い設計段階から適切なアドバイスを受けて設計を進めることにより、同じ工事費でも合理的な構造方法や材料選定等を行うことにつながり、より質の高い設計となることが期待されます。

       
開催時期 内 容
基本設計時 初期段階 第1回 ①木材の物性の説明 ②構造計画に必要な木材 ③熊本県産材利用での樹種の選定 ④熊本県の樹種ごとの素材生産量の概要 ⑤素材→製材→乾燥の供給体制の概要 ⑥流通材の説明 ⑦その他
構造計画段階 第2回 現場見学会又は構造計画に関するアドバイス
第3回 ①木材の品質、価格、調達時期、調達期間 ②JAS構造用製材の強度等級区分法の確認と等級決定 ③設計概要、構造概要による寸法の確認 ④使用量からくる納期と供給体制及び価格 ⑤加工技術の説明
実施設計時 第4回 ①基本設計をベースに使用量の再確認
②使用量に対する価格、品質及び納期の概要

5-2 木造設計アドバイスを受けた現場の声

 実際にアドバイザー派遣を受けた設計者からは、「アドバイスが4回あることで、設計の進捗にあわせて物件に適した助言が得られた。」「当初は丸太から製材できると考え大断面の設計をしたが、製材が可能でも十分な乾燥ができる保証がないとのアドバイスから、事前に一部を集成材として設計を変更することができた。」、「木造はコンクリートや鉄骨と違い規格化が難しく、県内の木材事情を熟知したうえで設計を進める必要があり、発注後に材料手配ができないなどの問題が生じないためにも、設計者だけではなく発注機関の職員も一緒にアドバイスを受けることは有意義だ。」などの意見がありました。
 また、県によると、「これらのアドバイスは、設計者だけに限らず、事業を担当する発注機関の職員にとっても、木材の流通過程をはじめとする木材に対する幅広い知識を得るために役立っており、多くの事業 関係者の木材に対する理解が進んできていると感じています。」とのことです。
 なお、平成28年3月に熊本県営繕課がまとめた木造設計アドバイザー活用事例報告書にも、現場の声などが紹介されています。

   
■木造設計アドバイザー活用事例報告書(平成28年3月熊本県営繕課) icon-pdf
   
■木造設計アドバイザー活用事例
 
 中央家畜保健衛生所 ~県内工場で加工可能な大断面材を採用~ icon-pdf
 県立高森高等学校 ~スムーズな地域材の調達が実現~ icon-pdf
 フードバレーアグリビジネスセンター ~全ての木材に認証木材を使用~ icon-pdf
 県立岱志高校工芸実習棟
 ~大断面構造材は県内加工の接着重ね材を、造作材は県産材・流通材を調達~
icon-pdf
 城北家畜保健衛生所 icon-pdf
 総合防災航空センター icon-pdf

5-3 木造設計アドバイザー派遣実績

木造設計アドバイザー派遣事業の実績は、こらちをご覧ください。

6 申請者・手数料

6-1 申請者

建築主、設計事務所、施工者等、建築物の計画に関与するのであれば誰でも、木造設計アドバイザー派遣手数料を添えて申し込むことができます。

   
設計アドバイザーを派遣することとなった理由 申請者
① 発注者(熊本県、市町村等)が設計委託仕様書(又は工事監理委託仕様書)に木造設計アドバイザーのアドバイスを受けることを明記している場合 設計事務所
② 設計事務所が、設計等受注に係る提案書等の中で「木造設計アドバイザーのアドバイスを受ける」と提案した場合
③ 発注者が、工事請負契約書の中に木造設計アドバイザーのアドバイスを受けることを明記している場合 施工者
④ 施工者が、工事受注に係る提案書等の中で「木造設計アドバイザーのアドバイスを受ける」と提案した場合
⑤ 建築主等が設計委託等とは別に木造設計アドバイザーの派遣を希望する場合 建築主等
⑥ 上記以外の場合 木造設計アドバイザーの派遣を希望する者

6-2 木造設計アドバイザー派遣申込手数料

   
アドバイスの区分 手数料
① 標準タイプ(2階建て以下かつ1,000㎡未満) 297,000 円
(税抜価格 270,000円)
② 標準タイプ(3階建て以上又は1,000㎡以上) 528,000 円
(税抜価格 480,000円)
③ 特別タイプ 理事長が県と協議して定める額
③ 追加アドバイス(1回当たり)  44,000円
(税抜価格  40,000円)

7 実施要領等

   
・ 熊本県木造設計アドバイザー派遣事業等実施要領 icon-pdf
・ 熊本県木造設計アドバイザー派遣事業等運営細則 icon-pdf
・ 熊本県木造設計アドバイザー等登録要項 icon-pdf
・ アドバイザー派遣申込書 icon-pdficon-word